第177回 全体会、 定例研修会、 賀詞交歓会

メディカル・マネジメント・プランニング・グループ

ビジネスレポート

MMPGの2025年度運営基本方針を発表する川原丈貴氏

メディカル・マネジメント・プランニング・グループ(以下、「MMPG」)は、1月24日にホテルイースト21東京(東京都江東区)で、同グループの大会「第177回全体会、定例研修会、賀詞交歓会」を開催した。全体会には150名、定例研修会には250名、賀詞交歓会には80名の参加者があった。各会は医療業界と会計事務所の未来を切り拓くための重要なテーマが議論される場となったほか、参加者同士の交流を深める貴重な機会となった。
全体会では、MMPG理事長の川原丈貴氏(株式会社川原経営総合センター)が、2025年度運営基本方針として、「激変する医療・福祉・介護界を支える――事業継続への支援体制の構築」を発表した。
2025年度は、医療・福祉分野の課題解決を目指し、事業再編やDX(デジタルトランスフォーメーション)活用による業務効率向上、データ活用の促進を運営基本方針の柱とする。また、会員増強計画も共有され、2040年までに会員数を120名にすることが目標に掲げられた。川原氏は、「地域医療・福祉の持続可能性を共に支える活動を通じ、会計事務所の発展に寄与したい」と語った。
本会の議論は、MMPGの理念である医療福祉界の健全発展に向けた具体的な指針を示す重要な機会となった。さらに、元国税庁長官の住澤整氏が、新たにMMPGの参与に就任したことが発表され、組織としてのさらなる発展への期待が高まった。
定例研修会では、海老名総合病院の服部智任病院長が、「海老名総合病院の挑戦――地域医療の未来を拓く」というテーマで講演をした。
服部氏は、同病院の救急医療体制と、創業者から受け継いだ理念について詳しく紹介した。救命救急を中心とした医療提供に注力する取り組みが成果を挙げる一方で、消化器疾患治療における専門医の不足が課題として挙げられた。また、医療DXと地域医療機関との連携が、持続可能な医療の実現のために重要であると語った。
海老名総合病院の取り組みは、地域密着型の高度急性期医療の新しいモデルとして注目されている。
続いて、慶應義塾大学商学部の権丈善一教授が、「ちょっと気になる2040年――日本の医療・社会保障の未来とその財源」というテーマで講演をした。
権丈教授は、人口減少社会における医療・介護の持続可能性を論じ、財源確保の重要性を強調した。特に社会保障目的の消費税拡充が不平等の是正につながる仕組みを紹介し、ジニ係数の低減効果を示した。さらに、政治経済学の視点から、合理的無知の問題や、民主主義の課題についても解説を行った。
権丈教授の講演は、日本の社会保障制度の未来を考えるうえで示唆に富む内容だった。
締めくくりとして行われた賀詞交歓会では、日本医師会の松本吉郎会長と釜萢敏副会長が祝辞を述べた。
医療機関経営におけるMMPGの貢献が強調され、会場ではMMPGへの期待が改めて感じられた。
その後は参加者同士が親睦を深め、終始和やかな雰囲気のなかで新年のスタートを祝った。
今回の一連のイベントを通じて、MMPGが医療機関を支える存在として果たす重要な役割が改めて示された。同時に、参加者にとっても新たな知見と意欲を得る絶好の機会となり、2025年のスタートにふさわしい充実した内容となった。

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海老名総合病院の取り組みを紹介する服部智任氏

日本の医療と社会保障の未来について語る権丈善一氏

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