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医療法人の経営リスクと税負担の軽減対策とは?動画セミナーのご案内

医療法人の経営リスクと税負担の軽減対策とは?動画セミナーのご案内

目次
税理士の皆様の中には、医療法人を顧問先に持つ方も多いのではないでしょうか? 特に出資「持分あり」の医療法人は、経営が順調だとしても相続や払い戻しの際に多くのリスクを抱えています。 その際、「認定医療法人制度」を活用することで経営リスクや税負担の軽減が可能です。 今回は、長年クリニックや医療法人などの税務相談を担当されてきた藤沢税理士の動画セミナーをご案内いたします。

この動画は、顧問先の医療法人が下記のような悩みを抱えている場合に有効です。

  • 事業承継時の経営リスクと相続税問題への不安
  • 出資持分の評価額上昇 に伴うリスク対処の方法が不明
  • 認定医療法人制度 の手続きや要件に対する理解不足
  • 最適な戦略選択のための具体的なポイントが欲しい

→「未来を見据える!認定医療法人の経営リスクと税負担の軽減戦略」動画セミナーはこちら

順調な医療法人が抱える経営リスクとは?

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医療法人と一口に言ってもさまざまな形態があります。以下、「持分あり」の医療法人で、親族内相続をする場合を対象にしています。

キャッシュ不足のリスク

医療法人は中小企業と異なるのは、配当が不可である点です。その代わり出資者は、出資額に応じた額の払い戻し請求をする権利を有しています。

ただ、払い戻し請求が行われた際に医療法人のキャッシュ不足が問題となります。

例えば、ある出資者が退社時に医療法人に対して9億円の払い戻し請求をしたとします。しかし、医療法人に9億円のキャッシュがあるわけではありません。現金をそのまま持っている医療法人は少なく、多くの場合は病院の土地や高額な医療機器などの固定資産に変わってしまっています。この状態で払い戻し請求を受けた場合、医療法人の資金繰りが悪化する恐れがあります

相続税・贈与税の問題

医療法人の出資者には相続税や贈与税の問題があります。例えば、出資者本人が亡くなると、出資額は相続され、後継者に引き継がれます。後継者は相続税を払う必要があります。

例えば実効税率が55%の場合、9億円の相続財産に対して3億6000万円の相続税が課されます。この場合、納税資金を準備する必要がありますが、手持ち資金で対応するのは難しく、銀行からの借入れが必要になるケースもあります。

相続税を回避するために持分の放棄を検討する方もいます。ただ、持分を放棄すると残存出資者への贈与と見なされ、贈与税が発生してしまいます。

では、出資者全員で持分を放棄すればいいのかというと、それも医療法人への贈与があったということになり、やはり贈与税が発生してしまうことになります。

では、暦年贈与や相続の分散で対策すればいいのかというと、それはまた別の問題が発生してしまいます。暦年贈与ですと、すべての贈与を終えるまでに長い時間がかかってしまいます。また、多くの方に出資が分散している場合、医療法人の運営上の問題や親族間のトラブルの原因となる可能性があります。

このように、相続税、贈与税の問題は回避が難しいため、持分なしへの移行を進めることが推奨されます

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出資持分なし医療法人への移行は可能?

出資持分無し医療法人への移行の方法は、「出資者全員で持分の放棄」と「認定医療法人制度の活用」の二つがあります。

出資者全員で持分の放棄をすると、前述の通り医療法人への贈与があったと見なされ贈与税が課税されます。しかし、今後の株価の積み上がりによる課税増加と相続税を回避することは可能です。

認定医療法人制度の活用について

持分なしへの移行のもう一つの方法として「認定医療法人制度の活用」があります。この制度を活用することで、贈与税の非課税や相続税の猶予・免除などの税制優遇を受けることが可能です。

認定医療法人制度の要件

認定医療法人にはいくつかの要件があります。

(1)医療法人の「組織運営が適正である」こと
(2)同族親族等関係者が役員等の総数の3分の1以下であること
(3)医療法人関係者に対する特別利益供与が禁止されていること
(4)残余財産の帰属先が国、地方公共団体、公益法人等に限定されていること
(5)法令違反等の事実がないこと

上記(2)の「同族親族等関係者が役員等の総数の3分の1以下であること」の要件により、従来は親族経営の医療法人は認定医療法人の対象ではありませんでした。しかし、特例措置により要件が緩和され、適正な運営を行なっていれば同族親族関係者の役員が100%でも「認定医療法人」と認められ相続税、贈与税が猶予されることになりました。

この要件は、令和8年12月に延長されています。認定医療法人制度を活用することで、医療法人が贈与税を課されることなく持分なし医療法人へ移行することが可能です。

出資持分を持たないことのメリット・デメリット

出資持分を持たないことで、医療法人としては払い戻し請求や出資額分散のリスク、個人としては相続税、贈与税発生のリスクを避けることができます。

出資持分を持たないデメリットとして主に挙げられるのは、「医療法人に対する財産権がなくなる」というものです。

ただ、医療法人に対する「財産権」は必ずしもキャッシュによる裏付けがないにもかかわらず、相続税や贈与税は課税される性質です。また、払い戻し請求をすることで経営権を失います。

そのため、財産権を一旦手放す選択肢をクライアント様に提案してみてもいいかもしれません

→より詳しく知りたい方「未来を見据える!認定医療法人の経営リスクと税負担の軽減戦略」動画セミナーはこちら

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「認定医療法人制度を活用」セミナーのご案内

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医療法人の経営リスクや、認定医療法人制度に関して、より詳しく知識を得ることができる動画セミナーをご案内します

担当講師

藤沢 文太先生

税理士法人FP総合研究所にてクリニックの税務会計顧問を10年間担当し、デロイト トーマツ税理士法人にて上場会社や上場準備会社の税務申告に従事したあと、日本経営ウィル税理士法人にて認定医療法人制度を含む医療法人の事業承継、病院の税務会計顧問に従事。2023年3月に藤澤文太税理士事務所を設立。

動画の内容

1.医療法人の経営リスクと相続税問題の背景

・出資持分の評価額上昇のメカニズム
・経営リスク: 退社社員の払戻請求とその影響
・相続税の実際: 出資持分と相続税の関係

2.認定医療法人制度の活用

・制度の概要と移行のメリット
・厚生労働省の認定要件と煩雑な手続き
・要件充足のための改善支援と遡及課税の回避策

3.単純放棄による解決策

・単純放棄とは: 概要と対策のフレームワーク
・認定医療法人制度を利用できないケースの対策方法
・現状出資持分の評価額が多額でない場合の先手策

4.最適な戦略の選択

・それぞれの方法の適用シナリオと経営リスク、相続税の軽減効果
・経営の将来展望に応じた最適な選択のポイント

まとめ

出資持分ありで親族経営の医療法人は、経営が順調に行っているときほど相続や払い戻しのリスクを抱えているものです。医療法人とお付き合いのある税理士の皆様は、持分なしへの移行を提案すると良いでしょう。認定医療法人制度に関して詳しく知りたい場合は、ぜひ動画をご覧ください。

→「未来を見据える!認定医療法人の経営リスクと税負担の軽減戦略」動画セミナーはこちら

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